古代チベットとハミングの瞑想法

ハミングの気持ちよさ

ハミングとは口を閉じた状態で「んんんーーー」と音を振動させることです。もしかしたら、チベットの僧侶たちが、僧院に集まってハミングをしている映像をテレビなどで見たことがあるかもしれません。

 

ハミングによって身体の内部にも振動が起こります。この振動が仙骨から頭頂までの脊柱を通じて細胞レベルにまで伝わり、不安や緊張などで凝り固まっていたエネルギーが動きはじめると言われています。乱れた周波数を整えてくれ、脳を浄化する作用もあるそうです。

 

また、ハミングといえば、チベットというイメージがありますが、ヨーガや気功などにも広く取り入れられている技法でもあります。ぜひ、ハミングを試してみてください。時間が取りにくい方はほんの5分でも十分です。自宅のソファーでもできます。

 

口を閉じて「んんんーーー」と内側に音を響かせるだけのことが、心地よくスッキリとした状態へと導いてくれることに驚かれることでしょう。

 

ナーダブラーマ瞑想

ハミングを取り入れたナーダブラーマ瞑想の技法を紹介します。ナーダ=音、ブラーマ=宇宙の創造という意味の技法です。ハミングにより身体とマインドの両方が振動していくことで、身体とマインドに内なる調和が起こります。

 

ハミングをしていると身体が空洞の筒の様に感じられるものです。空洞の筒に響くハミング。そのハミングの響きが脊柱を伝わり、脳にまで振動が達していきます。振動が脳天を超えていく感覚があるかもしれません。あまりの気持ちよさに夢中になってハミングをしてしまうことでしょう。

 

ハミングを続けていると、内側で響いているハミングを副音声のように外側から聴く瞬間が訪れることがあります。その瞬間は身体とマインドを超えており、外側から自分を観照している状態です。

 

ナーダブラーマ瞑想の手順

三つのステージからなる一時間の瞑想です。どの時間帯に行ってもよく、空腹の状態で行います。チベットの僧院の様に複数の人ともできますし、一人でもできる瞑想です。

 

ハミングをしている時に背骨を中心として、体を動かしたくなるかもしれません。体を動かしたくなれば、そうしてもかまいません。自然に起こるままに任せていましょう。また、瞑想が終わってからは少なくとも15分はじっとしていると良いでしょう。

 

【第1ステージ】 30分

目と口を閉じてリラックスした姿勢で座ります。周りの人にも聞き取れるほどの大きさでハミングをします。ハミングにリズムが出てくる時はリズムが起こるにまかせましょう。

 

ハミングを続けていくと、あたかも自分の体が空洞の筒となったかの様にハミングの振動が全身に気持ちよく伝わっていくことが感じられます。

 

【第2ステージ】 15分

第2ステージは二つのパートに分かれています。各パートの時間は7分半です。第2ステージの前半は手の平を上に向けて、両手をへその位置から前方動かし、前方から左右対称に円を描くように手を動かします。

 

両手でゆっくりと円を描き、自分の中心から外側の宇宙へと向かって、エネルギーを捧げるように

意識すると良いかもしれません。

 

第2ステージの後半は手の平を下に向けて、前半と反対方向に両手を左右対称に円を描くように動かし、外側の宇宙から自分の中心へとエネルギーを取り入れているように感じていきます。

 

【第3ステージ】 15分

座るか横になります。身体を動かさず、内側をただ見守ります。 

  

※ナーダブラーマ瞑想のCDが販売されています。ハミングを心地良く感じられる方はCDを購入したうえで瞑想に取り組むのが良いでしょう。